2017.10.9
私が最近読んだ「香り」を考えさせられる本をご紹介します。
『アノスミア 私が嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語』
モリー・バーンバウム著 ニキ リンコ訳 勁草書房刊

「アノスミア」とは嗅覚を失い、匂いを感じる能力がない状態を意味します。
著者のモリーはシェフを目指して修行中に交通事故に巻き込まれ、
九死に一生を得ましたが、嗅覚の機能を失っていました。
「匂い」の消えた世界で彼女は、
今までの人生がいかに嗅覚によって彩られていたかに気がつきました。
いろんな匂いが自分の人生でいかに大切なものだったかと。
しかし、彼女の嗅覚は少しずつ回復していきました。
匂いのない世界で厨房に立っていたときに、突然ローズマリーの香りを感じ、
子供時代の記憶がよみがえりました。
その後、チョコレート、自分の脳みその匂いが現れます。
回復を始めた嗅覚が感じる最初の「匂い」は興味深いものでした。
・・・なんとか回復しようと、
彼女はフランスの香水の街で調香師の授業も受けています。
取り戻そうと。
・・・・・・・・
嗅覚を失なったことが、自分の人生さえ失うくらいの苦悩を彼女に与えたのです。
「香り」ってほんとうに不思議です。
そして豊かなものなのですね。




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